皆さん、初めまして。アジア古着マーケット情報局を運営しております、山田雄介と申します。
こちらタイ・バンコクから、現地の生きた情報をお届けしています。バンコクに住んで14年目になりますが、今でも毎日新しい発見があり、この街の魅力に取り憑かれています。
今日は、なぜ私がアジアの古着市場に魅力を感じ、どのような経験を積んできたのか、そして皆さんにお伝えしたいことについて、お話しさせていただきます。
九州から世界へ
私は福岡県福岡市の生まれです。九州大学の経済学部で国際経済学を学んでいた頃から、「いつか海外で働いてみたい」という夢を抱いていました。
大学時代は、アジア経済の急成長に興味を持ち、特にタイやマレーシアの経済発展について研究していました。当時はまだ「アジア通貨危機」の記憶も新しく、アジア経済の可能性と同時に、その複雑さも感じていました。
卒業後は伊藤忠商事に入社し、念願だった海外勤務のチャンスを待ちました。
2010年、バンコクとの運命的な出会い
2010年、32歳の時にバンコク支店への転勤が決まりました。
初めてスワンナプーム空港に降り立った時の、あの独特の湿気と香辛料の香り、そして街の活気は今でも鮮明に覚えています。「これから新しい人生が始まるんだ」という興奮と、言葉も文化も分からない不安が入り混じった複雑な気持ちでした。
最初の1年間は本当に大変でした。タイ語は全く話せず、現地スタッフとのコミュニケーションに苦労しました。商談でも、日本の常識が通用しないことばかりで、何度も失敗を重ねました。
でも、タイの人たちの「マイペンライ」(大丈夫、気にしない)の精神に救われました。失敗しても笑って許してくれる、そんな温かさがこの国にはあります。
タイ語習得への挑戦
バンコクに来て半年後、「このままでは仕事にならない」と思い、本格的にタイ語の勉強を始めました。
平日は朝6時から1時間、週末は3時間、タイ語学校に通いました。タイ語は声調言語で、同じ「マー」でも音の高低で「犬」「馬」「来る」「母親」と全く違う意味になります。最初は本当に苦労しました。
転機となったのは、現地のスタッフが「ユウスケさん、タイ語で話してみて」と言ってくれたことです。下手なタイ語でも、一生懸命話そうとする姿勢を評価してくれました。
今では現地の人と冗談を言い合えるレベルまで上達し、商談もタイ語で行えるようになりました。言葉ができると、ビジネスの幅が格段に広がります。
古着市場との出会い
伊藤忠商事では繊維・アパレル部門を担当していましたが、古着市場に本格的に関わるようになったのは2012年頃からです。
当時、日本からの中古衣料品の輸出が急増していて、現地での需要調査を任されました。チャトゥチャック・ウィークエンドマーケットを初めて訪れた時の衝撃は忘れられません。
「こんなに活気のある古着市場があるのか!」
日本では考えられないほどの規模と活気で、現地の人たちが古着を楽しそうに選んでいる姿を見て、「これは大きなビジネスチャンスだ」と直感しました。
パキスタン駐在での学び
2015年から2017年まで、パキスタンのカラチに駐在しました。
イスラム教の国での生活は、仏教国のタイとは全く違う体験でした。1日5回の礼拝時間、ラマダン(断食月)、金曜日の集団礼拝など、宗教が生活に深く根ざしている文化を肌で感じました。
最初は戸惑いましたが、現地の人たちの信仰心の深さと、家族を大切にする価値観に感銘を受けました。「アッサラーム・アライクム」(平安があなたの上にありますように)という挨拶に込められた、相手を思いやる気持ちの美しさを知りました。
ビジネス面では、パキスタンの古着市場の可能性を発見しました。カラチの古着市場は、中東やアフリカへの輸出拠点としても機能していて、その規模の大きさに驚きました。
文化的誤解から学んだ教訓
パキスタン駐在中に、大きな失敗も経験しました。
2016年、重要な商談の際に、相手の宗教的背景を十分理解せずに、豚革製品のサンプルを持参してしまったのです。イスラム教では豚は不浄とされているため、相手方は非常に不快に感じ、商談は破談となりました。
この経験から、「文化的理解なくしてビジネスの成功はない」ということを痛感しました。それ以降、現地の文化や宗教について、より深く学ぶようになりました。
タイでの家族生活
2013年に、タイ人の妻と結婚しました。
妻は大学で日本語を学んでいて、日本の文化にも理解があります。現在、10歳の息子と8歳の娘がいて、二人ともタイ語と日本語のバイリンガルです。
子育てを通じて、タイの教育制度や医療制度も体験しました。タイの学校は仏教の教えを大切にしていて、子どもたちは毎朝お祈りから始まります。日本とは違った価値観に触れることで、私自身も成長できたと思います。
週末は家族でタイ各地を旅行します。アユタヤの遺跡、チェンマイの山々、プーケットの海…。タイの美しさを家族と共有できることは、この上ない幸せです。
2011年タイ大洪水の試練
2011年のタイ大洪水は、私にとって大きな試練でした。
取引先の工場が浸水し、大きな損失を被りました。バンコク市内も冠水し、我が家も1階部分が水に浸かりました。妻は妊娠中だったこともあり、一時的に日本に避難することも考えました。
しかし、現地のスタッフや取引先の皆さんが、困難な状況でも協力してくれました。「困った時はお互い様」という、タイの人たちの温かさを改めて感じました。
この経験を通じて、「どんな困難があっても、人と人との絆があれば乗り越えられる」ということを学びました。
コロナ禍での家族との別れ
2020年のコロナ禍では、1年半もの間、家族と離ればなれになりました。
妻と子どもたちは日本の実家に避難していたのですが、入国制限で私は帰国できませんでした。毎日ビデオ通話で顔を見ることはできましたが、子どもたちの成長を間近で見られないのは本当に辛かったです。
この期間、改めて家族の大切さを実感しました。そして、「家族がいるからこそ頑張れる」ということを痛感しました。
フリーランスとしての新たなスタート
2018年に伊藤忠商事を退職し、フリーランスの貿易コンサルタントとして独立しました。
「14年間で培った経験と人脈を活かして、日本とアジアの架け橋になりたい」という思いからでした。
独立当初は不安もありましたが、これまでお世話になった現地の皆さんが仕事を紹介してくれたり、アドバイスをくれたりして、何とかスタートを切ることができました。
現在は、日系企業のアジア進出支援や市場調査レポートの作成を主な業務としています。特に古着・アパレル分野では、現地の生きた情報を提供できることが強みです。
現地ネットワークの価値
14年間の現地生活で築いたネットワークは、私の最大の財産です。
タイでは50社以上の古着卸業者と取引関係があり、パキスタンでもカラチ・ラホールの主要業者との人脈があります。政府関係者や物流会社とも良好な関係を築いています。
これらの人脈は、一朝一夕で築けるものではありません。日々の信頼関係の積み重ねが、今の仕事の基盤となっています。
現地の人たちから学んだこと
タイの人たちからは「ナムチャイ」(思いやりの心)を学びました。困っている人がいれば、見返りを求めずに助ける。そんな温かい心を持った人たちに囲まれて生活しています。
パキスタンの人たちからは、家族を大切にする気持ちと、信仰心の美しさを学びました。どんなに忙しくても家族との時間を大切にし、神への感謝を忘れない姿勢に感動しました。
これらの経験が、私の人生観を大きく変えました。
古着市場の可能性と課題
アジアの古着市場は、まだまだ大きな可能性を秘めています。
タイでは若い世代を中心に古着への関心が高まっていて、環境意識の向上も追い風となっています。パキスタンでは、中東・アフリカへの輸出拠点としての役割が拡大しています。
一方で、品質管理や物流の課題もあります。現地の商習慣や文化的背景を理解せずにビジネスを始めると、思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。
日本の皆さんへのメッセージ
アジアの古着市場は、日本にいるだけでは見えない魅力と可能性に満ちています。
しかし同時に、文化的な違いや商習慣の違いによる落とし穴も多く存在します。現地の人々との信頼関係こそが、ビジネス成功の鍵です。
私は14年間の現地生活で培った経験と人脈を活かして、皆さんがアジア市場で成功するための「生きた情報」をお届けしたいと思います。
このブログで伝えたいこと
このブログでは、現地からのリアルタイム情報をお届けします。
- 最新の市場動向と価格情報
- 現地業者の生の声
- 文化的背景と商習慣の解説
- 実践的なビジネスアドバイス
- 現地生活での体験談
机上の理論ではなく、現地で実際に体験した「生きた情報」をお伝えすることで、皆さんのビジネス成功のお手伝いができればと思います。
趣味と現地での楽しみ
プライベートでは、タイ料理を作ることが趣味です。妻に教わりながら、本格的なトムヤムクンやガパオライスを作れるようになりました。
また、ムエタイ観戦も好きで、ルンピニー・スタジアムには月に2-3回通っています。タイの国技であるムエタイを通じて、現地の文化をより深く理解できます。
子どもたちとは、週末にバンコク周辺の水上マーケットや寺院を訪れます。タイの歴史や文化を子どもたちに伝えることも、大切な役割だと思っています。
最後に
長い自己紹介を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
アジアの古着市場に興味をお持ちの方、現地でのビジネスを検討されている方、どのような質問でもお気軽にお声がけください。
現地からの生きた情報と、14年間で培った経験を活かして、皆さんのビジネス成功をサポートいたします。
一緒にアジア市場の可能性を探っていきましょう!
コップクン・クラップ(ありがとうございます)!
山田雄介
アジア古着市場アナリスト・貿易コンサルタント
バンコク在住14年
元伊藤忠商事 バンコク支店・カラチ駐在員事務所
専門分野: タイ・パキスタン・バングラデシュ古着市場
言語: 日本語・タイ語・英語・ウルドゥー語
現地ネットワーク: 古着卸業者50社以上との取引関係
現地からの最新情報をお届け
- 市場調査レポート作成
- 現地企業とのマッチング
- 貿易実務サポート
- 文化・商習慣コンサルティング
- 現地視察アテンド
バンコクから、リアルタイムでサポートいたします!
[お問い合わせフォーム]よりお気軽にご連絡ください。